電子レンジの漏洩電磁波の測定結果から危険な位置が判明

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電子レンジの電磁波対策についてよく質問をうける。「電子レンジの電磁波はカットできるの?」、「電子レンジからどれらい離れれば安全なの?」、「古い電子レンジだけど電磁波は漏れていないか心配だ。」等々。そこで今回は電子レンジから漏れる電磁波(マイクロ波)を前後左右の360度測定してみた。今回の測定結界から危険な位置が判明したので是非ともこれを参考にその場所には立たないように、また設置場所の参考にしてくださいね。


実験用の電子レンジについて

去年買い換えたばかりなので、比較的新しい機種になります。
古い電子レンジは電磁波の漏れが多くなるそうなので、買い替え前の古い電子レンジを置いておけば比較できたのにと、ちょっと後悔。

メーカー:パナソニック
品番:NE-BS603
発売日:2016年 9月 1日

利用した電磁波測定器について


電子レンジは周波数2.45GHzのマイクロ波の特性を利用して水分子を振動させてその摩擦で加熱します。
従って、今回はマイクロ波専用の測定器TM-195を使用しました。
この電磁波測定器の詳細についてはこちらをご参照ください。

測定条件

電子レンジの最大出力は1000Wまであるが、データ取得に長時間の加熱運転が必要になるために今回は500Wで実験した。電子レンジは庫内に何も入れずに加熱するとマイクロ波発生装置のマグネトロンを傷めることになるのでラップしたジャガイモを数個入れたが、やはり実験に夢中になってしまい、加熱し過ぎでカラカラになってしまった。

前面、背面、右側面、左側面の四面について、それぞれ0cm,10cm,20cm,30cm,40cm,50cmの6箇所のポイント(高さは約10cm)に加え、真上と真下の合計26地点で測定。電磁波測定器のモードは最大値モードで測定。(マイクロ波の瞬時値は大きく変動しますので、その地点での最大値を表示するモードを採用。)

測定結果

測定写真をご覧ください。写真をクリックすると大きな画像にリンクします。
写真を見ずに測定結果一覧までジャンプ

前面の測定データ

前面0cm:30.51μW/cm2

前面10cm:9.797μW/cm2

前面20cm:3.865μW/cm2

前面30cm:2.478μW/cm2

前面40cm:3.145μW/cm2

前面50cm:1.088μW/cm2

背面の測定データ

背面0cm:0.075μW/cm2

背面10cm:0.091μW/cm2

背面20cm:0.067μW/cm2

背面30cm:0.070μW/cm2

背面40cm:0.081μW/cm2

背面50cm:0.059μW/cm2

右側面の測定データ

右側面0cm:0.315μW/cm2

右側面10cm:0.252μW/cm2

右側面20cm:0.285μW/cm2

右側面30cm:0.211μW/cm2

右側面40cm:0.160μW/cm2

右側面50cm:0.169μW/cm2

左側面の測定データ

左側面0cm:0.297μW/cm2

左側面10cm:0.279μW/cm2

左側面20cm:0.268μW/cm2

左側面30cm:0.163μW/cm2

左側面40cm:0.176μW/cm2

左側面50cm:0.183μW/cm2

おまけに真下と真上も測定

真下:0.344μW/cm2

真上:0.121μW/cm2

測定データ結果一覧

測定データ結果一覧(単位:μW/cm2
距離 前面 背面 右側面 左側面
0cm  30.51 0.075 0.315 0.297
10cm  9.797  0.091  0.252  0.279
20cm  3.865  0.067  0.285  0.268
30cm  2.478  0.070  0.211  0.163
40cm  3.145  0.081  0.160  0.176
50cm  1.088  0.059  0.169  0.183
真上:0.121 / 真下:0.344

まとめ

測定データの一覧表からお分かりのように、前面以外の電磁波はほぼ0.3μW/cm2以下となっており、問題の無いレベルと言って良いだろう。
問題は前面からの漏れなのだが、ご家庭の電子レンジを見ていただければ分かると思うが、庫内を見るための窓には金属メッシュや、多孔性の穴の空いた金属板などで電磁波の漏れ対策は施してある。
下の写真は今回の実験に使用したNE-BS603の窓の接写だが、穴の大きさは約1.5mm程度であり、電子レンジが利用するマイクロ波の波長は約12.2cmなので穴を通れることはないはずだ。
電子レンジの前面ガラス

それでは前面だけが高い理由は何故だろう。以下のような理由が考えられないだろうか。

  1. 窓以外の部分(扉の枠の部分)からの漏れ
  2. 扉と本体のドア開閉の密着部分(ゴム)からの漏れ(通電テストしてみたが導電ゴムは使用していなかった)
  3. ガラスに施している金属メッシュの電磁波シールド性能が低い

前面だけが高い理由の探求は次回に譲るとして、今回の実験結果からアドバイス出来ることは。

  1. 作動中はなるべく前面には立たない。
  2. キッチンの立ち位置や食卓側にレンジの前面がこないように置き場所を考える。
  3. やむなく前面に立つ場合は50cm程度は離れる(密着時30.51μW/cm2から50cm離れれば約1μW/cm2と30分の1まで減衰している)
  4. 調理具合が気になっても絶対に運転中は庫内を覗き込まない。
  5. 背面側は意外に安全。(密着時でも0.1μW/cm2以下と4面の中では最も数値が低い)

如何だったでしょう。今やキッチンには必須家電の電子レンジですが、電磁波の影響がなんとなく気になっていた方も前面以外は恐るるに足らずと言っていいでしょう。
ただし、今回は比較的新しい電子レンジを対象としたので、古い電子レンジの場合は経年劣化による電磁波の漏れはあるのかも知れません。

今回の測定実験で少しでも皆さんの不安が無くなれば幸いです。

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by macco