
プリンターの電磁波が気になる方へ、各方向からの測定結果を詳しく解説します。
今回は、インクジェット複合機が印刷中にどれくらいの電磁波を出しているかを「前面・背面・左右側面」それぞれから低周波磁場の強さを測定した様子を、写真と動画を交えてご紹介します。
「プリンターから出る電磁波って、意外と気にしていないけど、実際どうなんだろう?」 「デスクの横に共有プリンターを設置しているけど大丈夫?」そんな素朴な疑問から始まり、電磁波測定器(トリフィールドメーターTF2)で実際に測ってみました。
使用した測定器:トリフィールドメーターTF2
今回の測定には、電磁波測定器 Trifield TF2 を使用しました。
この機器は、アメリカ製の家庭向け電磁波測定器で、以下の特徴があります:
- 低周波磁場(MAG)、低周波電場(ELEC)、高周波(RF)の3種類を測定可能
- 表示がシンプルで見やすい
- EMF対策や家電製品の確認用途に広く使われています
プリンター未使用時の状態(静止時)
対象となるプリンターは ブラザー MFC-J4540N です。
以下は、電源を入れた状態で印刷していないときの写真です(各方向から撮影)。
【前面:0.6mG】
【背面:0.2mG】
【右側面:0.1mG】
【左側面:1.9mG】
プリンター未使用時の電磁波測定結果
前面 | 背面 | 右側面 | 左側面 |
0.6mG | 0.2mG | 0.1mG | 1.9mG |
左側面が若干高いですが、プリンターか発する電磁波以外(この場所の環境から受けている電磁波)も拾っているとしても気になるような数値ではありませんね。
今から印刷することによってどれくらい電磁波に変化があるのかを動画撮影しますのでこの数値を覚えておいてください。
印刷中の電磁波測定(低周波磁場)
印刷動作中に、各方向から測定器TF2をかざし、低周波磁場の強さを記録しました。 以下のショート動画で、それぞれの方向の様子がページ内で直接ご覧いただけます。
▶ 前面からの測定
重要なのは左上の「PEAK」の数値。実測値は目まぐるしく変化するのですが、「PEAK」はその時点測定時の最大値が3秒間表示されます。
前面は2.6mGが最大値のようです。
▶ 背面からの測定
背面は8.8mGが最大値ですね。
▶ 右側面からの測定
右側面は45.5mGでした。
▶ 左側面からの測定
左側面は24.4mGでした。
印刷中の電磁波測定結果
前面 | 背面 | 右側面 | 左側面 | |
静止時 | 0.6mG | 0.2mG | 0.1mG | 1.9mG |
稼働時 | 2.6mG | 8.8mG | 45.5mG | 24.4mG |
測定結果のまとめと考察
各方向からの測定値にはばらつきが見られました。
静止時は気にするほどの電磁波は発生していませんでしたが、左側面がやや高めの数値を記録しました。
一方、稼働時にはすべての方向で数値が上昇しましたが、特に側面方向の上がり方が顕著です。
-
右側面:0.1mG → 最大45.5mG
-
左側面:1.9mG → 最大24.4mG
このように、右側面は非常に強い磁場を発生させることが確認できました。
使用中は、プリンターの左右からできるだけ距離を取ることが推奨されます。
前面については、稼働時も比較的低い数値で推移していたため、「少し離れる」程度で問題ないと考えられます。
背面は稼働時に8.8mGを記録しました。
電磁波の影響は「被ばく量 × 時間」で決まるため、稼働時は長時間近くにいることは避けた方が安全です。
とくに、共有プリンターを自席のそばに設置している場合、1日の印刷枚数が多い環境では注意が必要です。
関連リンク・参考情報
- 測定に使用したトリフィールドメーターTF2 の詳細はこちら
- 電磁波シールド材卸売りサイト:https://denjiha.macco.co.jp/
ご覧いただきありがとうございました。 測定してみてほしい家電等ございましたら、下記の「あなたの希望を電磁波測定隊にお願いしよう!」からご連絡ください。