ずっと欲しかったスマートウォッチ(カシオ プロトレック WSD-F30)を入手しましたので、さっそく電磁波を測定してみましょう。常に腕に密着しているウェアラブル端末なので電磁波の影響が気になります。さて、結果はいかに。
スマートウォッチの電磁波の種類
スマートウォッチはスマートフォンとBluetoothでペアリングすることによって、データのやり取りをします。従って周波数は2.4GHz(マイクロ波)となります。
電磁波測定器はマイクロ波測定器のTM-195を使用します。
電磁波の防護規制値は各国によって取り決められており、携帯電話基地局からの1.8GHzの場合、最も規制値が厳しい国はスイスやイタリアの9.5μW/cm2となりますので、それ以下なら取り立てて気にする必要は無いと判断します。
興味のある方は総務省から「諸外国の電波防護に関する規制の動向について」(PDF)のレポートが公開されていますので参考にしてください。
スマートウォッチの電磁波測定
以下の3パターンで、それぞれ約30秒間測定して、その間で最も大きな数値が表示されるMAXモードで測定します。
1.何も無い状態(測定時の環境)
2.スマートウォッチ スリープ時(普段の時計として利用している状態)
3.スマートウォッチ データダウンロード時(アプリの更新やデータをダウンロードしている状態)
1.何も無い状態
0.139μW/cm2です。測定した部屋にWi-fiの電波も飛んでいますが近くにデバイスが無いので低いです。
2.スリープ時(普段の時計として利用している状態)
2.534μW/cm2です。スリープ時ではありますが、スマホとペアなので「ここにいるよ~」的な感じで定期的に通信されているのでしょうか。測定器は最大値モードなので一時的な最大値が表示されており。ずっとこの数値というわけではありません。
3.データダウンロード時(アプリの更新やデータをダウンロードしている状態)
6.923μW/cm2です。やはりダウンロードやアプリを更新する等のデータのやり取りを頻繁にしている状態では高い数値が出ました。
先にも記載したとおり最も規制が厳しいスイスやイタリアの規制値は9.5μW/cm2なので、それ以下ではありますがダウンロード時やアプリ更新時は腕から外したほうが良さそうです。
ついでにスマートフォンのスリープ時も測定
30秒間での最大値が16.784μW/cm2とスマートウォッチと比べるとやはり大きい数値が出ました。
まとめ
データを頻繁にやり取りするアプリの更新時やデータのダウンロード時を除けば、スマートウォッチを着けっぱなしでも特に問題は無いと思われます。
ただし、電磁波の影響は強度×時間ですので自宅に居る時ぐらいは外しておいたほうが良いかも知れません。
気になったのはスマートウォッチの裏側です。今回測定したCASIOのプロトレック WSD-F30は堅牢さがウリで裏蓋には鍛造ステンレスを使用しています。通電すればマイクロ波のシールド効果があるはずです。そこで裏蓋のステンレスの導通テストをしてみました。
ご覧のとおり導通してくれました。この裏蓋のおかげで電磁波の影響はかなり軽減しているものと思われます。現物が無いのではっきりとは分かりませんが、一番売れているであろうApple Watchの裏側の写真を見るとセンサー部分があってそれ以外は樹脂が使われているように見えます。色々なメーカーからスマートウォッチが発売されていますが、購入検討をしている方は裏蓋に金属が使わているかもチェックしたほうが良いかも知れません。
<2022年6月10日追記>
スマートバンドの「Xiaomi Miスマートバンド6」の電磁波を測定した結果、スリープ時 2.304μW/cm2 とあまり変わらなかったので、裏蓋の金属はあまり関係ないかも知れません。
詳しくは「スマートバンドの電磁波測定結果発表」をご覧ください。
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