ステンレスメッシュキャップで電磁波シールドは可能なのかを検証

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アウトドアブランドのモンベルからステンレスメッシュ素材を使用したキャップが販売されているのをご存知だろうか。「ポリエステル・メッシュ地にステンレス・スパッタリング加工を施した特殊な生地を使用」とある。ステンレスは電磁波シールドにも使われることのある合金で実際にググってみると国立研究開発法人 科学技術振興機構の「電磁波シールド材としてのステンレス/ポリエステル混織物の評価」というレポートがあり、それを読むと実際に効果があったとの記述があった。

興味のある方は以下のページにレポートがあるのでお読みください。(PDF)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/shukulib/33/0/33_KJ00004372158/_pdf/-char/ja

ということはモンベルのステンレスメッシュキャップで電磁波シールドが可能で、最近物忘れがひどい我が頭を電磁波から守ってくれるかも知れないとの期待が膨らんだ。
科学技術振興機構のレポートでは実際にKEC法によるマジな測定を実施しているようだが、悲しいかな予算のない我が電磁波測定隊は手持ちの電磁波測定器で細々とやるしかないのだ。

測定結果はいかに

今回使用する電磁波測定器の見方

これが今回測定する場所の電磁波環境です。約1分間での最大値は2.626μW/cm2となります。この数値を覚えておいてください。

電磁波シールドメッシュAG32はメッシュ生地に銀(Ag)のメッキをすることで高周波(マイクロ波)のシールドを可能にしています。
実際にシールド性能がある場合は下の写真のようになります。
ステンレスメッシュキャップでゼロとまではいかなくてもある程度の減衰が確認出来れば良いのですが・・・

参考記事:帽子の中にアルミホイルを入れれば電磁波の影響を減らすことができるのかを検証

ステンレスメッシュキャップを被せてみた

それではステンレスメッシュキャップを被せてみましょう。

結果は2.650μW/cm2
残念ながら全くシールド効果はありませんでした。

まとめ

以上のとおりモンベルのステンレスメッシュキャップには電磁波シールド効果はありませんでした。
でもステンレスって電気を通すんじゃなかったっけ?金属なら通電して電磁波をシールド出来るはず。
あきらめきれずにテスターを引っぱり出して通電テストをしてみた。

まったく通電しない!

納得がいかないので、台所のシンクのステンレスの通電テストをしてみたところ・・・ 通電するやん!やっぱりステンレスは電気を通すのか。

調べたところ「ステンレス鋼」とは「クロム(Cr)含有率を10.5%以上、炭素(C)含有率を1.2%以下とし、耐食性を向上させた合金鋼」とJIS規格で定められているとのこと。
磁石が付くステンレスや付かないステンレス等、ステンレスと言っても金属の配合によって色々な種類があることが分かった。

考えてみれば、アウトドアブランドのモンベルが電気を通すようなキャップを販売する訳が無い。下手すれば、雷が脳天に落ちてしまうのだから。
(注)雷は高いところに落ちやすく、金属に落ちることは無いそうです。

「ステンレス 電気を通す」でググってみると種類によっては電気を通すけれども、抵抗値が高いので通電箇所に用いられることは無いとのことでした。

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