大阪北部に北大阪変電所という巨大変電所がある。関西電力のホームページによると北大阪変電所は、主に黒部川流域にある水力発電所から送られてきた電気を中継し、大阪府北部から兵庫県南東部のエリアに送電している拠点だそうだ。そんな巨大変電所近辺の電磁波環境はどんなものだろうか。早速、出動だ。今回は変電所から出ている送電線を辿って山の上の鉄塔の真下まで行って調査してきた。
北大阪変電所について
Googleマップの衛星写真で見ると北大阪変電所は、隣接した建物は無いようだが、少し離れた東側に荻谷月見台住宅が、南側に関西大学高槻キャンパスがある。関西大学高槻キャンパスと同じくらいの面積であることから、いかに大きな変電設備であるかお分かりいただけるだろう。
発電所からの電力を受電しているということなので、下の電気事業連合会のページから超高圧変電所ということが分かる。50万V~27万5000Vがどれくらいかピンの来ないが、我々が家庭で使っている100Vと比較するとなんとなくすごさが分かるだろう。
南側メイン出入口付近
まずは南側の入り口付近を測定。意気込んでトリフィールドメーターを0-100mGモードで測定しましたが、約2.5mG。あれ?あまり大したことが無いです。変電所の周辺だから電磁波強度が高い訳では無さそうです。
次に少し離れて測定してみました。この辺りは新名神高速道路の工事があちこちで行われていて、変電所前もトラックの出入り口になっています。そこに少し入り込んで測定してみました。約4mGと少し増えました。
西側出入り口付近
次に西側の出入り口の回って測定しました。トリフィールドメーターの測定レンジ0-100mGではほとんど針が振れなかったので0-3mGの詳細モードに切り替えました。約0.6mGです。西側は少し離れているからなのか、変電設備が無いのか理由は分かりませんが、全然問題の無いレベルです。
一番近い住宅地は大丈夫か
そう言えばここに来る途中に月見台という住宅地を通過しました。ここから直線距離で数百メートルしか離れていないので、気になったので戻って測定してみた。月見台公民館というのがあったのでその前で測定しみました。約3.8mGです。上の写真のとおり西側隣接で0.6mGだったので、変電所に近いと電磁波は強いというイメージとは違って距離は関係無いようです。
送電線の鉄塔真下は?
ということは送電線の真下がやっぱり一番強いということなのでしょうか。西側の山を超えている送電線を追って登山開始です。鉄塔まで登ってきました。測定器の右側の向こうに見えているのが先程の北大阪変電所です。うわっ、75mGもあります。一次変電所まで送る電圧は15万4000Vなので相当強力です。しかし、登山ですごくお腹が空いてしまったので75mGを浴びながら急いで昼食をとりました。鉄塔の下は草木の無い広場になっているので、休憩するにはいい場所なんですが・・・。
まとめ
変電所に近いからどこも電磁波が強いということでは無さそうです。同じように、家を選ぶ時も窓から送電線の鉄塔が見えるから電磁波が心配というのはイメージに過ぎないのかも知れません。配電用の変電所になると電気の使用量によって電圧が変わるので、季節や時間帯によって変化はあるかも知れませんが今回は超高圧変電所で定圧なのであまり季節性は無いものと思われます。いずれにしても、やはり実測してみないとイメージや予測はあまり当てにならないと感じました。