新幹線の線路からはどれくらいの電磁波が出ているのだろう。また、どれくらい距離が離れれば影響は無くなるのだろうか?今回はこの疑問にお答えするために新幹線の沿線の電磁波調査に出動した。すでに新幹線沿線にお住まいの方、これから入居を検討している方、土地の購入を考えている方は是非参考にしてください。
調査場所について
以下の地図のピンクのマーカー部分を南西から北東に移動しながら電磁波測定した。距離にして約2km。近畿自動車を挟んで西側には住宅が多く新幹線の北側に道路がある。一方、近畿自動車道の東側は南側に道路があり、沿線には工場が多く並んでいる。当然、すべて高架になっていると思ったいたのだが、一部道路と新幹線が並んで走っている箇所があり、大阪で新幹線が高架になっていないところがあることは知らなかったので少し驚いた。車を駐めて子供に新幹線を見せている親子もいた。
使用する電磁波測定器について
新幹線は架線からパンタグラフを通じて交流の電気を受電している。従って、発生する電磁波の周波数は通常の送電線と同じく50~60Hzと想定されるので TRIFIELD METER Model 100XE(トリフィールドメーター モデル100XE)を使用します。
磁界(0-100mG)、磁界高感度(0-3mG)、電界(0~1000V/m)、マイクロ波(0.01~1mW/cm2)の測定が可能な電磁波測定器です。
調査データをマップに落としてみよう
数値だけを羅列してもピンとこないであろうから、マップに測定した数値を落とし込んでみよう。マーカー部分をクリックすると測定数値と写真が表示されるので確認してください。
但し、数値は純粋に新幹線の架線から出る電磁波だけを拾っている訳ではないことに注意が必要だ。道路を挟んで線路の反対側には送電線が走っており、当然、送電線からの電磁波も拾っていることになる。住宅が多い西側を重点的に調査した。
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上記の調査の全地点(30地点)での最小値は2mG、最大値が30mG、平均値は約10mGであった。
線路にかなり密着したり、高架下で測定した数値も含んでの平均なので実際に線路沿いの住宅内ではもっと低い数値であると思われるもののやはり通常の地域よりは明らかに高い数値であると言えるだろう。
子供が遊ぶ公園は大丈夫なのか
調査中に沿線のすぐ横に「バンビちびっこ広場」という小さな公園を見つけた。ちょうど子供たちが遊んでいて、気になったので調べてみた。マップ内のマークが公園内の測定結果だが、下にも写真をピックアップします。数値は約6mGと子供を長時間遊ばせるには少し気になるレベルであった。
都会では高速道路の高架下の有効活用のために公園があるのを見かけるが、鉄道の高架下はどうなのだろうか?特に新幹線の場合は通常の鉄道より高圧送電しているであろうから気になるところだ。
新幹線の通過時は電磁波が高くなるのだろうか?
沿線の通常時と新幹線の通過時では電磁波の数値は変わるのかを調べてみた。ほぼ同地点での通常時と新幹線通過時の測定写真をご覧ください。
結果を言うと、通常時が6.4mGで新幹線通過時は5.5mGと通過時のほうが若干低くなったが、これは誤差レベルと考えて良いだろう。新幹線の走行によって電磁波が変化するという訳では無さそうだ。
まとめ
30地点での調査結果は 2mG~30mGの幅で平均値は約10mGとなった。線路にかなり密着したり、高架の真下で測定した数値も含んでの平均値が10mGなので、沿線の住宅内ではもっと低い数値になるだろう。この数値を高いとするか低いとするかは各自の判断に委ねるが、通常の地域よりはやはり高い数値であるということは言えるだろう。
また、ここには新幹線の鳥飼車両基地があり、オタク心から沿線から60メートル程離れて新幹線が並んで見える場所で撮影したのだが、その写真をご覧ください。数値はなんと0.2mGと電磁波の影響はほぼ無かった。向こうに見える架線には送電されていないのであろうが、沿線から20~30メートル程度離れれば、ほぼ影響は無いようなので沿線に住んでいるからと言って過度に神経質になる必要は無いだろう。