ビルトインIHクッキングヒーターからの電磁波の影響はどれぐらい?

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知人が家を建てた。オール電化にしたそうでエネルギーのほとんどを電気に依存している。当然、キッチンにはIHクッキングヒーターを設置しているのだが、妊娠中の奥様がどうも電磁波の影響が気になるとのことなので、新築のお祝いのついでに電磁波測定器を持参して調べてみた。

ビルトインIHクッキングヒーター

設置されていたのは3口IH のPANASONICのKZ-W363S というIHクッキングヒーターで定格は以下のとおり。

定格電圧:単相200V(50Hz/60Hz) 消費電力: 5.8kW(4.8kW/4.0kWに切り換え可能) グリル:2.7kW

以前、100Vの卓上型の電磁波を測定したことはあったが、200Vのビルトイン型は今回が初めて。
調理時にどれくらい電磁波の影響を受けるかを調べて欲しいとのことなので、調理台に腹部が最も接近した状態を想定して測定してみたいと思う。

IHクッキングヒーターのしくみ

基礎知識として簡単にIHクッキングヒーターのしくみを説明しよう。
下記のイラストのとおり、コイルに電流を流すことによって発生する磁力線が鍋の底を通過すると、そこにうず電流と呼ばれる電流が発生する現象を利用して鍋を温めます。
金属製の鍋の中でうず電流が流れると、金属の持つ電気抵抗によってジュール熱が発生して、鍋自体が発熱するというしくみです。

使用した電磁波測定器について

電磁波測定器トリフィールドメーターTF2

トリフィールドメーターTF2を使って調べていきます。
今回はIHクッキングヒーターからの電磁波となりますので、周波数は50/60Hzの超低周波と磁力線を発生させるためのコイルに流す25kHz付近の周波数の電磁波が発生しています。

最近のIHクッキングヒーターの中にはさらに高い周波数の60kHz~90kHzを使ってアルミや銅などの材質も加熱することができるオールメタル対応IHクッキングヒーターも発売されているようですが、KZ-W363S のスペックを見ると「鉄・ステンレス対応」となっていたので恐らく高くても50kHz付近だと思います。

いずれにしましてもこのトリフィールドメーターTF2は40Hz~100 kHzまでの周波数レンジを有していますので、つまみは周波数荷重モードのWeightedのMAG(磁場)に合わせて測定していきます。

<関連ページ>

電磁波測定器トリフィールドメーターTF2の詳細
NEWトリフィールドメーターTF2のレビュー

電磁波測定開始

一口で1~9までを測定

それでは火力を上げながら電磁波の強度の変化を確認していきましょう。

火力1:瞬時値 31mG、ピーク値37mG

火力2:瞬時値 31mG、ピーク値38mG

火力3:瞬時値 30mG、ピーク値38mG

火力4:瞬時値 24mG、ピーク値33mG

火力5:瞬時値 19mG、ピーク値25mG

火力6:瞬時値 20mG、ピーク値25mG

火力7:瞬時値 23mG、ピーク値29mG

火力8:瞬時値 25mG、ピーク値29mG

火力9:瞬時値 25mG、ピーク値29mG

これは驚きました。卓上型のIHヒーターを測定した時の経験から、火力(出力)を上げていけば電磁波強度はそれに伴って上がっていくものと想定していたのですが、結果は火力(出力)を上げていっても電磁波強度はほとんど変化はありませんでした。
むしろ若干低くなっているように見えますが、これは誤差の範囲でしょうから、結論としては火力に関係なく20~30mG程度ということになります。

それでも、料理中に調理台にお腹を密着させるている間は20~30mGを浴びているということなので、これは普段の生活環境では無い程の高い数値であることは間違い無いです。

色んなパターンで測定してみた

次に色々なパターンで測定していきます。

前面の2口を最強にしてみた

このIHコンロは3口ありますが、前にある2口を最強にした状態で測定してみたとろ約30mGでした。
1口を最強にした上の実験よりは少し上昇しただけで、2倍になることはありませんのでご安心を。

コンロの上に載せて測定

体が調理台の端より奥に入り込むことはほとんど無いでしょうが、手は頻繁にコンロの上を行き来するでしょう。
調理台から少し入り込んで、よりコイルに近い状態で火力を最大にして測定してみました。
結果は以下の写真のとおり測定不能でエラー表示となっています。
この電磁波測定器(トリフィールドメーターTF2)の最大レンジは 100mGですので、100mG以上ということになります。上の実験では調理台の端で20~30mGだったのに5cmほど近付けただけで一気に100mG超えとなってしまいました。

10cm離れて測定

次に逆に調理台の端から10cm離れた位置での電磁波を測定してみました。
下の写真のとおり10cm離れた状態でピーク値10.1、瞬時値9.5mGですから約10mGでした。
やはり電磁波は発生源から離れれば急激に減衰することが分かります。(逆に近付けば急激に高くなる)

まとめ

以前、IHコンロを買い替えた人から聞いたのですが、古いIHコンロと新しいのとを比較したら新型は劇的に電磁波が減っていたそうです。
今回測定したビルトインIHクッキングヒーター(KZ-W363S)は、2016年11月に発売された新しい機種だからなのか、火力を強くしていってもそれに比例して数値が上がっていくことはありませんでした。
最近のIHクッキングヒーターはメーカー側で何か電磁波漏洩対策をしているのかも知れません。
今回測定した結果は以下のとおりです。

調理台の端に密着した状態で20mG~30mG程度の電磁波の影響があり、コンロの上付近は100mG以上あるが、10cm程離れると10mG付近まで下がった。

さて、この結果をどう判断するかはあなた次第です。
気になるなる方はIH安心エプロンをおすすめします。

最後までご覧いただき、ありがとうございます。

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