EMSパネルの電磁波遮蔽原理

1. 電磁遮蔽効果の理論式

電磁遮蔽効果Sの理論式を下記に示す。




Sが大きいほど、電磁遮蔽効果は高くなる。したがって電磁シールド素材にはδが大きな素材を選ぶ必要がある。EMSパッドには、高透磁率ナノ結晶磁性材シート(120μm厚)を使用した。
 
2. 素材の多層化による電磁遮蔽率の向上

素材を多層化したときの電磁遮蔽効果Sの理論式を下記に示す。
 Sが大きいほど、電磁遮蔽効果は高くなる。電磁シールド素材を積層化させることにより、電磁シールド性能が向上する。EMSパネルは、アルミニウム箔と高透磁率ナノ結晶磁性材シートの5層構造で構成されている。
 
3. 遮蔽磁界強度測定試験

遮蔽磁界強度の測定には下記の方法を用いる[図2]。トラッキングパルスを送信ループアンテナから送信、被測定素材を隔てた受信ループアンテナにて受信し、遮蔽強度を測定する。

▲ 図2 遮蔽磁界強度測定試験方法
 EMSパネルの遮蔽磁界強度測定試験結果を図3に示す。
本シートは、アルミニウム箔と高透磁率ナノ結晶磁性材シートの5層構造で構成することにより、0.7mmの厚さにもかかわらず、素材値における遮蔽磁界強度測定試験において、100Hzから300Kzの低周波電磁界で最大60dB(99.9%)程度の遮蔽率が確認された。IH電磁調理器から発する低周波電磁界は20kHz〜30kHzがもっともエネルギーが強いのを確認しており、その付近の遮蔽率は60dB(99.9%)あると確認された。


▲図3 シールド性能の測定データ
(※注10の2乗の対数目盛なので均一ではない)

参考文献:最新 電磁波の吸収と遮蔽,日経技術図書

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